Op.8 オーディションその1【♪】
幼稚園・保育園・小中高 卒業式というと歌を
歌ってお別れしますね。合唱には指揮者と伴奏
者が必要です。プロの指揮者は「卒業生は主役
なのだから歌を歌うべきだ!」と言われます
が、現実は生徒が指揮や伴奏をしています。
ピアノを弾ける生徒にとって卒業式での最後の
舞台を飾りたい、と、ひそかにみんながひとつ
の目標にしているものだと思います。
私は小学校の時、ピアノに救われた、くらい、
ピアノしかできなかったような生徒でしたか
ら、伴奏は全部私がするんだ!とがんばって、
ずっと伴奏し続けてきました。5年の卒業式で
も在校生代表で伴奏しました。6年、いよいよ
一番の目標、卒業生代表で弾くオーディション
が行われました。受けたみんなも認めるくら
い、自分はしっかり弾けたのに、その場で先
生が「いつもあなたが弾いているので、たま
にはこの子に花を持たせてあげてね」と、私
の背中をポンポンと軽くたたいて決められま
した。
決まっているのならオーディションなんてやる
ことなかったのに...何てこと言えるような私で
はなかったので、黙ってその場を去りました。
ショックでした。小学生に 花を持たせてなん
てことわかりません。家に帰ってトイレにこも
って大泣きした記憶があります。
学校に7年半努めていた時、5年で伴奏した人は
ぬかしましょう、とか 1組から指揮者が出て
いるので伴奏者は2組の子を選びましょう、
など、考えられないような選び方を提案される
現場に居合わせました。私は猛反対し、翌年か
ら公平なオーディションが行われるようになり
ました。考えてみれば、5年でリレーの選手に
なったからといって6年で選手から外されるこ
とはありませんよね。
今の時期になると思い出す悔しかった出来事。
その先生はこんなに長く思っている事なんて
全く気が付かなかっただろうな。・・・つづく